2015年11月9日月曜日

光学式脈拍センサーの算出精度(リストバンド式)

Philips Optical Heart Rate Monitoring Module

Mio社のHRセンサー(Philips Optical Heart Rate Monitoring Module (OHRM))はオランダに本社があるPhilips社が供給しているものであり、サンプリングの周波数は1Hzである。これはPolarのチェストベルト型 RS800(H3心拍センサーのことか?)と同じサンプリング周波数であり(この部分2016/1/5修正)、参考にあげるオランダのMaastricht university(マースリヒト大学の教授?のstudy)の資料に両者の比較がある。
(このstudyの結論はOHRMとチェストベルト型、両者に取り立てて騒ぐほどの差はないということである)



医療用機器のHRセンサーとのちがい

医療機器のサンプリング周波数は数百〜1kHzである。
(心電図の波形も必要なのであろう。)
Mio FuseやPolarの RS800、ChargHRの1Hzではリアルな瞬間心拍数は測定できない。(当たり前だ、1分間に190回近くにもなる心拍数を、1分間60回のサンプリングでリアルに測定できるわけながない。)


そこで"HR calculation from ECG"、1Hzでサンプリングした数値から”算出”しているわけである。

前出のmio_optical_heart_rate_study.pdfから、

"Average of the interval between the first and the last beat in a time window of 7 seconds.
Interpolation and re-sampling (1Hz)"


最高心拍数の算出精度

1Hzのサンプリングではリアルな心拍数は計測されず、”算出”されているのではあるが、
その精度はどうなのであろうか?自転車乗りとしては非常に気がかりな点である。

先にあげたmio_optical_heart_rate_study.pdfでは、200HzサンプリングのHRデバイスで測定された計測値とOHRMで算出された値との差は、平均するとたったの±0.5bpmとなっている。



また算出方法に関する情報をネットで探していると、東北大学の論文が公開されていた

『低周波数サンプリングでの瞬時心拍数の推定方法』
http://www.topic.ad.jp/sice/papers/251/251-9.pdf(2015/11/9アクセス)


ちなみにこの論文では サンプリング周波数を10Hzにすることで、

”サンプリング周波数が10Hzの場合はBarros らの方法と提案手法の平均絶対誤差は全ての 被験者においてほぼ同程度になった.つまり, ヒルベルト変換は10Hz程度の差分近似を用い た微分演算で代用できると言える.”       
*さすがに理系の論文では読点は" . "

現状の10倍、10Hzのサンプリングレートを可能とするセンサーが出てきたら、より早く非常に正確な最高脈拍数が得られると理解してよい。(自転車乗りに波形は必要ない。)

話を元に戻すと、1Hzサンプリングの最大の問題は、”算出”時間がかかりタイムラグが生じる(ここでいう算出のためのタイムラグとは、”算出用データの蓄積のためのタイムラグ”、も含めての話)ことかもしれない、OHRMでは最大”7(秒)+算出時間”の遅延が起こっていそうに読める。(ただし7秒の範囲で算出するのであるが、次の7秒間まで何もしないのではなく、1秒に1回新たな算出範囲を設定することで毎秒新たな算出値を継続的に表示しているはず。まあ輪唱しているみたいな感じかな。)

サンプリングの頻度を上げるほど正確に素早く心拍数がはかれるはずであるが、この論文の冒頭にある通り、1kHzのサンプリングは1Hzのサンプリングに比べ単純に見てもデータ量が1000倍!
現状では処理に要する端末の負荷を考えると、医療関係者でもなければ波形も必要ない我々一般人には、サンプリング周波数は1Hzで算出された最高心拍数で十分実用的と考えるべきなのであろう。(ちなみに医療用で1kHzサンプリングのリモートHRデバイスはある。ただし非常に高価。)

ところでEPSON PULSENSE PS-500Bの4秒に1回のサンプリングでは、噂通り運動中の瞬間的な最高心拍数の算出が苦手と考えてよいのかもしれない。エプソンで最高心拍数にこだわるならば、より高精度のSF-810シリーズを候補にするべきであろう。

まあ後10年もすれば、ウェアラブル端末で10Hzはもとより1kHz程度のサンプリングは苦もなくこなせるのかもしれない。楽しみに待とう。

*この部分の文章では、あくまでサンプリング周波数に話を絞っているので、光学式と通常のチェストバンド式心拍計自体の差を話しているのではないことを注意されたい。
 一方は心臓から発せられる微弱な電流を測定し、もう一方は血管の収縮を測定しているのである。サンプリング周波数以前に、ある程度の差は当然ある。




光学式心拍計の追従性について【2015/12/6追記】

Polarはその提供しているクラウドサービスPolar Flow for Coach 等では、チェストバンド式心拍計を使用しないと全てのサービスを享受できないとしている、たとえPolarのA360であっても。計測不可能な項目は、VO2MAXやリカバリータイムである。Polarによると、光学式心拍計はPolarのチェストストラップ式であるH7に比べると、急激な脈拍の変化に対する追従性に劣るので、VO2MAXやリカバリータイム等は正確に算出できないそうである。
(PolarのRS800CXからはHRV(心拍変動)の計測が可能である、ちなみにR-R間隔は(1/1000秒)の正確さで計測されるとのことであるhttp://www.polar.com/ja/about_polar/news/hrv_rs800cx


詳しくは→ Polar H7 チェストバンド式心拍計とMio 


光学式心拍計の追従性について【2016/5追記】

あまりにテキストベースの情報に偏った話ばかりであったので実際に測定してみた。

急激に脈拍を上昇させるような、追従性に関する部分の結果を示すと次の通りである。
計測全体の結果は下のリンクをごらんください。



H7:Polarのチェストバンド式心拍計H7
A360:Polarのリストバンド式心拍計(光学式心拍センサー)
Mio:Mio のリストバンド式心拍計FUSE(光学式心拍センサー)


詳しくは、次の記事で

Polar A360レビュー(4)脈拍測定精度 MioFUSE、H7との比較






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