2016年3月4日金曜日

スズキ機工 LSベルハンマー (ルブ)

グラフェン入りルブの登場まで、噂のこれを使ってみた。




短期間であるが、通勤用クロスバイクのチェーンに使用した感想。

12-23のスプロケットを使っているが16→17→19辺りの変速がイマイチであった。ところがオイルを変えてからは、スット大きいギヤに変速できるようになった(ここは感動した)。

*坂の登りで、普段より1枚〜2枚重たいギヤで登ろうとして慌てて変速したことがある。(つまり登りが楽になったというより、平地で知らず知らずのうちに重たいギヤが踏めていたようである。ブラシーボ?

*少し滑らかになりチェーンの音が静かになったと思う。(ブラシーボ?)

雨等のコンディションは未経験なのでなんとも言えない部分があるが、以前使っていたタクリーノ(値段的には同じ程度のもの)より、自分的には高評価なオイルである

(追記:雨天時の感想、まず流れ落ちにくい。これはチェーンを洗浄するさいにも感じるというか、少しではあるが古いオイル金属面にへばりついて少しやっかい。ゴミや汚れはそれなりに拾うが真っ黒になるようなことはない。毎日乗る通勤自転車でも、うまくいけば3週間ぐらいは汚れも見るに堪えるレベル。潤滑も結構長持ちする。)



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LSベルハンマーの詳細

アマゾンの商品紹介では

”LSベルハンマー原液は
いままでにない潤滑性能で機械装置の初期摩耗を防止します
焼付き防止・きしみ音の緩和・破損の防止に絶大な効果を発揮します

エンジンオイル・マシンオイルの添加剤としてご利用の際は
約5%~10%の添加を目安に添加してご使用下さい

(免責)
ブレ-キ・クラッチ・特にバイクのエンジンオイル(湿式クラッチ仕様)には
絶対に使用しないで下さい。
本商品は自己責任にて使用お願いします
本製品を使用した塗布対象物の物性変化
それに伴う動作等の影響に関しては 一切保障いたしません”

となっている。





成分の詳細は不明、どうやら極圧添加剤が主に効力を発揮しているようである。

このベルハンマー、噂ではナスカルブと同じ成分のものだと言われている。
もしナスカルブと同じものならば、塩化パラフィンが極圧添加剤として使用されているはず。ナスカルブの場合であるが、成分は潤滑油が85%〜95%、塩化パラフィン系極圧添加剤が5〜15%である。この塩化パラフィン、最近使われることが少なくなってきている。理由は、焼却時のダイオキシンの発生および、一部の塩化パラフィンに発がん性が認められるということであり、この点は注意すべきであろう。

参考:一般社団法人潤滑油協会 http://www.jalos.or.jp
Q&Aより:塩素系極圧添加剤の環境問題と対策→http://www.jalos.jp/jalos/qa/articles/006-L083A.htm



オイル・グリースの添加剤
 添加剤の代表的なものとして、このベルハンマーやナスカルブにも含まれている極圧剤というものがあるが、基本的に油膜が破断しないベアリング等(流体潤滑の状態)では出番はない。極圧剤は流体潤滑ができなくる境界潤滑の場合に、その効力を発揮するものである。(ちなみにマイクロロン等テフロン系添加剤は極圧剤ではなく、磨耗防止剤に分類されるものであり、極圧剤より低負荷・低圧力下で有効なものである)

 この境界潤滑が発生するシチュエーションとして一般に考えられるのは、例えば自動車のハイポイドギヤ(自動車のデフの中の傘歯車)等のかなり厳しい環境。自動車ほどの駆動力を自転車で発揮できる方にはぜひとも極圧剤は必要ですが、普通は出せて1hp=約735w、1馬力の乗用車、カンチェラーラでも2hp。これでは極圧剤の出番はありえないように思うのだが・・・。

 ところでこの極圧剤は、2つの金属面が接触する場合に、ほんの一部の金属同士が接触し極部的に高熱が発生、その熱で化学反応が生じて金属面が腐食し潤滑膜が形成することで潤滑するものである。結果的には金属の化合物同士の潤滑となり、当然流体潤滑に劣る。自転車でもハブに異物が混入すると、多分そのような状態が局所的にではあるが発生するでしょう。


流体潤滑





境界潤滑



出典:ヘイシンディスペンサー http://www.heishin-dispenser.jp/compass/compass14.html


 ここで異物混入の例として、エンジンのシリンダーで発生するスラッジについて考えてみましょう。当然スラッジは潤滑に悪影響を及ぼします、しかしながらシリンダー内ではスラッジは分散剤で拡散されるので、スラッジ程度の異物はオイルだけで十分対応できてしまう。(大手のオイルメーカーが発売しているエンジンオイルには、分散剤、極圧剤、耐磨耗剤、消泡剤といった添加剤が、必要十分な量を初めから加えられている。)

 では自動車のエンジンオイルに後から添加剤(極圧剤)を追加する、どういう事を意味するのでしょうか。端的にいうと



極圧剤等粘度の低いものをオイルに入れる

オイルがしゃぶしゃぶ
動きが軽い
この添加剤最高
でも流体潤滑できなくなる
極圧剤でなんとか境界潤滑にする(でも流体潤滑の方がいい)


まあ車でよくあるんですが、怪しげな添加剤に余計な金かけてエンジン内部の潤滑環境を悪化させ金属磨耗を促進、寿命を短くしているようなもんですな。

話が横道にそれましたが、自転車の場合はどうでしょう。

 自転車の場合、異物混入問題もあるのですが、一番問題になるのはその回転速度が異常に低い事です。工作機械の主機等では軽く10000rpm(ぐらいだったかな?)まで考慮されているベアリングの世界で、小型のシールドベアリングとはいえ、たった90〜数百(回/分)ほどしか仕事をさせていない。これは明らかにベアリングの設計基準のからは外れている場合が多い
 ただどんな回転数であれ重要なのは、ベアリング内のグリースが流体潤滑の状態であるのか、境界潤滑の状態であるのか、である。

ここで興味を引く論文を見つけた。”数十rpm程度の低速回転”での軸受けに関する論文


低速条件下の転がり軸受寿命
http://www.ntn.co.jp/japan/products/review/pdf/NTN_TR67_P059.pdf


これらの情報から考えると、停止することも多く、極めて低回転の自転車のハブ等では走行時に流体潤滑である時間はそう長くなく、場合によってはほぼ境界潤滑である可能性が高。すると、極圧添加剤の出番は大いにあり得るということになる。


ということで、スズキ機工 LSベルハンマーをしばらく使ってみるつもりである。
こちらも使ってようかなと思っている。ハブのベアリング等はちょうど度2、フリーボディーのラチェットはちょう度0でよさそうである。


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追記:でもグリースは最終的に白いグラフェンと呼ばれるこれ↓に落ち着きました。。


経緯→AZ BGR-004 自転車用 セラミックグリス [ボロンナイトライド配合]




ついでにナスカルブ、ベルハンマーに比べると若干コストパフォーマンスは悪い?

ナスカルブ NASKALUB 潤滑剤 20mlボトル
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参考

極圧剤/摩耗防止剤
― 極圧剤は温度が上昇するにつれて、金属表面と反応して、高温と極圧に耐えられる保護皮膜を形成します。 この皮膜は、合わさった2つの金属面をスコーリングや焼き付きから守ります。 摩耗防止剤も同じような働きをしますが、低負荷及び低圧力下で作用する傾向があります。
極圧剤は、ギヤー油やその他の動力伝達油、耐荷重用グリース、および金属加工油に使用されます。 通常は摩耗防止剤と一緒に添加されて、幅広い条件下で効果を発揮できるようになります。
効果的な極圧剤や摩耗防止剤の多くは金属を腐食させるため、通常は保護性と腐食性がうまくバランスを保てるよう配合されます。
焼付き防止剤は、温度に関係なく機能する摩耗防止剤の一種です。堆積物を通して保護膜を形成することで境界潤滑を改善し、グリースや一部の工業用潤滑油、さまざまな慣らし運転用潤滑剤に使用されています
。 ―
https://ja.aftonchemical.com/SOLUTIONS/LUBRICANTCOMPONENTS/Pages/Extreme%20Pressure%20AgentsAntiwearAgents.aspx

― 極圧という名前からは,高い圧力だけで作用するように誤解されますが,高荷重の接触面では必ず高温を伴っていて,この高い温度が極圧添加剤を反応させる引き金になります。極圧添加剤は,常温や比較的低い温度では安定で,融着が起こるような高い温度になる前の少し低い温度で活性になって金属と反応し,しかも反応速度が大きいものが適しています。―
http://www.dic-global.com/jp/ja/products/additive/sulfur/




2 件のコメント:

  1.  島根大学客員教授の久保田邦親博士らが発表した炭素結晶の競合モデル/CCSCモデル(通称;ダイヤモンド理論)によると極圧添加剤は摩擦界面でGIC結晶(グラファイト層間化合物)というナノレベルのボールベアリング状結晶体になって滑りをよくするという。詳しくは久保田邦親氏のfacebookをのぞいてみれば分かると思うが面白かった。

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  2. 返答させていただくのが遅くなりすいません。久保田邦親氏Facebook見せていただきました。確かに面白いです!まだあまり読めていませんが(私が理解できるかどうかは別です^^;)、ご紹介ありがとうございました。まだまだこの分野、当分ワクワクできますね。

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